どうなる仮想通貨市場!?

 BTC価格が275万円台を推移する7月12日現在。2021年中旬9月頃からじりじりと下落を続け、各国の金融引き締め政策とも連動するかたちで資金が引いている状況です。私たちのような弱小個人投資家はただクジラに飲み込まれていくだけなのでしょうか。それともまだ、やれることは残されているのでしょうか。体力(目の前の余裕資金)がなくなれば退場する以外にない世界です。全力投球はやめましょう。
瀧澤 哲郎 2022.07.12
誰でも

目次

1 下落時の心の持ちよう

2 BTCの半減期

3 今後は?

4 まとめ

1 下落時の心の持ちよう

  いきなり精神論のようでごめんなさい。でも大事なのですこれが。前回の記事に書いた通りですが、管理者不在だからこそボラティリティが激しくなります。だから、今だとどこまで掘って(下落して)いくのか予想もつきません。僕は細かくチャートを読む能力を持ち合わせていないので、あくまでもファンダ(外的な要因とかイベントとか)中心で資金を動かしています。かつては(今もですが)、雰囲気でチャートを読んだ気になって、都合よく覚えたてのチャートを自分のいいように当てはめては失敗を重ねて参りました。結果、短期の取引はとことん向いていないと自分を諦めました。でも、別のスタイルもあるはずだと信じて、今に至ります。

1.1  自分に合う手法がきっとあると信じて勉強する

 自分に合うトレードスタイルというのは、生活そのものに投資を無理なく当て込むことができるかという基準で考えるとよいかもしれません。分析する人たちはよくディスプレイを6面とか張って専用基地みたいにしてやっていますよね。あれ、僕も憧れているのですが、自分には合ってないのでやりません。

 仮想通貨への投資を始めた当時、僕は中学校の教員でした。島にいたかな、その頃は。島の学校といっても結構忙しい日々でした。夜も遅くまで仕事していました。そんな生活だと、画面に張りついて投資にどっぷりなんて環境は作れません。たまっているお金もほとんどありません。当時は株で200万円の損失を出して絶望していた時期でしたから。仮想通貨で再チャレンジを決めた時、僕はコツコツいくしか選択肢がありませんでした。調子に乗りやすく、落ち込みやすい。そして計画性がなく、思いつきで動き出すけど継続する力がない人間が僕です。調べたら発達特性の何かが見つかるような気がしています。そんな人間だから、現金がない中で、コツコツ投資をするという環境は自分に合っていました。

何をしたのか。

給与・ボーナスが振り込まれるごとに無理のない範囲で決めた通貨の購入をひたすら続けたのです。2017年から2020年まで3年間。当時、2018年の正月頃に大きな上昇を見せた後も今回のように長い下落期間に入り、一時ピーク価格の50分の1くらいにまで落ち込んだのを今でも冷や汗とともに思い出します。

 下落の要因を考えても、出てこないのです、理由らしい理由が。「お前のターンじゃないんだよ今は。黙って買い続けていろ。」と自己暗示をかけ、目標枚数を決めて、ひたすらコツコツと購入を続けました。買った後はもう忘れてチャートなんか見ません。見て動いてもわかんないし、どうせ好き勝手やる大口に飲まれて終わる。それを体感として嫌になるぐらい知っていました。だから、信用取引もしません。現物の買い一択。

タモリさんが、ずんの飯尾さんに芸についてアドバイスしたことがあるそうです。

「時代を追うな。そこにいて、しっかり芸を磨いておけ。いつかお前の番が回ってくるから。」

と。

これに尽きるのです僕の場合は。小さな金額で流行を追うことは最近できるようになりました。でも、本丸はそう簡単には動かしません。過去3回、大きな波が来た時の勢いと同じような波はきっと来ると私は思っています。上がれば下がるし下がれば上がる世界。この新たな、そして便利で人々を救うことがわかっている技術が簡単に潰れちゃうことの方が考えにくい。とすればガチャガチャ動かして自爆しない限り、時間を味方につけてじっと待つ。そうすれば弱小個人の自分でもいつか勝てる。そう思いました。

 よくないのは自分のスタイルが見つからず、買ったり売ったり、時の情報に振り回されて信念なく動くことです。ちょっと勝って小金をつかんでも、大体は再投資してしまい、それ以上の負けを積んで終わります。情報に向かうときも、主体は自分にあるべきです。これだけあふれているからこそ、気を付けないとすぐにブレてしまうようになってます。お互い気を付けていきましょう。

 冬の時期は、じっくりと地中に根を張りご自身の投資環境を踏まえて自身に合ったスタイルを考えてみる時間にしましょう。相場をみて一喜一憂するのは、時間の無駄です。

1.2  買うときは難しい。そして売るときはもっと難しい。

 「人の行く 裏に道あり 花の山」という相場格言があります。人と同じことしてちゃ勝てないよ。人の想像しないようなこと、逆を行けよ、ってことなのでしょう。でもね、逆張りって大体飲まれるのですよ。

「下手なナンピン素寒貧(スカンピン)」もそう。追加で購入することをナンピンと呼びます。下落相場で安易に追加で購入しても、もっと落ちるのです。周りが売ってるときこそ買いだ!なんていう素人考えはそう通用するものではありません。

 皆、答えのない中で闘うわけですが、僕はこのナンピンを2年間強、ひたすらに継続しました。それはシンガポールへの移住までつながっていました。「人の裏」にある道を踏めたわけです。僕には何があったのか。

 たぶん、本質的に価値があるかどうか。またそれは信じるに値するものなのかどうか。ということを調べ、自分なりに大丈夫そうだという結論を得て追加購入を決めたことです。よって、その価格が下落しようとも心が揺らぐこともなく買い一択で進めることができたと思っています。

 価値と価格は違います。以前の記事で書きましたが、価格は人次第なので価値を正しく反映していない可能性がある。だからこそチャンスもピンチも生まれる。

 よって、安易に買わないことが大事なのだと思います。買った後、仮に大暴落が起こっても自分はこれを落ち着いて見つめ、価値の棄損なのかただの価格の下落なのかを見極めようとする姿勢で臨めるか、自分に問うことです。答えがYESなら買いで良いと思います。こんなことが起こったら価値が失われるよなあ、という具体的な事柄が出てこないならば、やめておいた方がよいと思います。

 買った以上、短期で成果は出ないと思ってください。そんな温い世界ではありません。2017年のいわゆる「出川組」よりも少し先輩といったタイミングからこの市場に退場せず、トータルも大きくプラスのまま、なんとか残り続けてきました。数年は資金がロックされると思っておいてください。だから余裕資金でしかありえないのです。すでにお金を入れちゃって困っている方は、数年待つか、損切りするかです。その判断も、生活に追われているのか余裕資金なのかで行動は変わりますよね。余裕を失ったら負けです。

 そして、その資金を忘れちゃうくらい、日々の生活を充実させるために目の前のやるべきことに集中しましょう。思い出したころには、もしかしたら人生の景色が変わっているかもしれません。

 また、利益(損失)確定がまた難しい。将来のさらなる上昇の選択肢を自ら放棄することになります。利益も損失も、自ら確定させるのは至難の業です。無理だと思っておいた方がよいです。ではどうするのか。

 決めておくのです。買う前に。自身で価格なり時期なりプロジェクトの進み具合なり、基準を設けておいて、ラインを越えたら淡々と行動する。自分の欲をコントロールするのに必要なのは強靭な心ではなく、淡々と進む仕組みです。自分との約束を守ることを日頃から習慣づけておくことも投資においては良い訓練です。

 では、今後大きな波が来るとすればどれくらいの時期なのか、という誰もが知りたいことに、過去の例をベースに少し踏み込んでみましょう。

2 BTCの半減期

 ビットコインの発行枚数には上限があります。もうこれ以上は何があっても発行しない、という限度です。新しいビットコインが供給される速度は徐々に落とされていきます。その、速度低下のことを「半減期(はんげんき)」と呼びます。すべてのビットコインが発行されるまで、価格を上昇させていくための方法です。

 ビットコインの発行上限は、2100万枚とされています。新たにビットコインを発行するには「マイニング」という作業が必要です。これは、POW(プルーフオブワークス)と呼びます。PCを稼働させ続け、温度の上昇や電力消費も著しいことから環境に良くないとの指摘があります。

 ビットコインの半減期は、西暦2140年まで継続されます。私が生きていたら150歳をゆうに超えていることになります(まあ無理でしょう笑)。そして、次回の半減期は2024年のうちに発生する可能性が高いと言われています。

最初の半減期(2012年11月28日)から前後3か月のビットコイン価格

Cryptact HPより

Cryptact HPより

 この時は、半減期を迎えるまで1000円付近を推移し、価格に変動はみられませんでした。11月末にかけて半減期を迎えると、徐々に価格が上昇。その後、価格は3倍以上となっていきました。

2回目の半減期(2016年7月9日)から前後1年のビットコイン価格

Cryptact HPより

Cryptact HPより

 2回目の半減期では、5倍から6倍という大幅な上昇を迎えました。ただ、半減期を迎えてから上昇までには時間がかかっていることが特徴的です。

3回目の半減期(2020年5月12日)から前後半年のビットコイン価格

That’s ERA HPより

That’s ERA HPより

 3回目の後も、じっくりと時間をかけての価格上昇がみられました。上昇までの時間が長くなっていることを考慮すると、次の半減期を迎える2024年から、翌年の2025年にかけてビットコインの上昇があるのではないか、という予測がされています。今後の半減期を迎えるあたりまでの約2年間で、価格が大きく下落した時だけ、コツコツと買っていくのは戦略としてアリなのかもしれません。

 投資判断についてはもちろん自己責任です。責任は負えません。あくまでも過去はこのように動いてきており、誰にも先のことはわからないから、過去を材料に動く人が多くなる。すると結果として歴史が繰り返されていくということは、これまでにもみてきました。

3 今後は?

 私自身は、暗号資産の今後については、肯定的に捉えています。それは価格がどうというよりも価値として人々の生活の利便性向上に大きく貢献するはずだし、Web3.0によってブロックチェーンが土台となる社会構造への転換に伴い、通貨だけは現金や電子マネーだけで、暗号資産自体は使用できないなんていう未来を想像する方が難しいと考えているからです。

 7000種類以上もある仮想通貨のうち、どれが価格を上昇させるか。それはわかりません。入口としてはまずツートップであるBTC(ビットコイン)とETH(イーサ)についての特徴を調べてみることからスタートしてみるのがよいかもしれません。

 BTC(ビットコイン)以外のコインは全部まとめて「アルトコイン」(Alternative Coin=代替コイン の略)と呼ばれていますが、数が多すぎるので、まずは主要な上位にランクインしているコインで出てくる単語を調べて特徴を整理していきましょう。特長も課題もコインによって様々です。ホワイトペーパーという、計画書も閲覧することが可能です。そのコインのプロジェクトが目指すものなんかも、ぜひ知っておくとよいと思います。

 過去の事例から学び、この先を考える。BTC半減期を考慮すると2025年を目標にサイクルが形成されていくのではないかという視点で、今後の自分の動きを考えていこうと思っています。

4 まとめ

(1)市場が冬の時期はしっかり学んで武器を増やしておこう。そしてジタバタせずに方針に沿って淡々と。

(2)BTCの半減期を経て、価格を伸ばしてきた事実がある。次回半減期は2024年と言われている。半減期を迎えた後、じわじわと価格を伸ばす傾向がある。

(3)社会全体の動きと暗号資産の技術がどう組み込まれていくか想像してみよう。参加するもしないも、あなたの勉強しだい。

最後までお読みいただきありがとうございました。

 私は、このように仮想通貨に限らずお金に関する知識や経験は、なるべく早期に子どもたちに伝えて実践したり考えたりする機会をもつことが、極めて重要であると考えています。

 もちろんお金だけではなく、テストの得点などではとらえにくいけれど生きていくうえで重要とされる能力(=非認知能力)の向上という目標のもと、オンラインでの学びを実現するべくSupportiaという学習の場を共同で立ち上げました。中学校国語・数学・英語を軸に、道徳や倫理の視点での対話、ビジネスや教養、デジタルアート、マインクラフト教室なども独自サーバーで校舎を用意しています。

 中学生の段階から、少しずつでもお金に関する知識を増やして、貧困の連鎖に対する小さくとも防波堤の一部になりたいと考えています。入会料、授業料とも現在は無料としています。

 また、授業に関する説明会を開催することになりましたので、もし興味のある保護者の方がいらっしゃいましたら、ぜひ下記QRコードからお申込みください。中学生のお子様のいらっしゃるご友人にもぜひお声がけいただけますと幸いです。説明会会場でお待ちしています。

また、Supportia所属の個性溢れる先生たちがBlogを更新しています。ぜひご覧ください。

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