仮想通貨の前にこれだけは!

 今回からは仮想通貨を中心として、世に知られているけれどなんとなくしかわからないことについて、いちいち丁寧に説明を申し上げるという、いささかおこがましさを感じる方向性で進めていくことにします。
 まずは、仮想通貨に入る前にやっておくべきことについて整理します。
 
瀧澤 哲郎 2022.05.19
誰でも

目次

1 バケツに穴は開いてない?

2 お金の置き場所を工夫しよう!

3 さみしがり屋のお金とうまく付き合う 複利という魔法

1 バケツに穴は開いてない?

 お金のこと、投資のことを広く考えるときにまず何よりも大切なことは、「自分を知る」ということです。自分のお金の状況について、あなたはどれだけ状況を理解できていますか?例えば、以下の問いにご自身の状況を思い返しながら答えてみてください。

【問1】1か月あたりの食費、住居費、通信費、交際費、娯楽費は、どの程度ですか?

【問2】家計の月の収入と、支出はそれぞれいくらですか?

【問3】あなたの家計の、金融資産のうち、日本円が占める割合はどれくらいですか?

【問4】あなたはなぜ、お金について学びたいと思っているのですか?

【問5】投資をするのであれば、最悪ゼロになっても納得できる金額として出せるのはいくらですか?

 まずは、このようなご自身への問いに対して、丁寧に向き合うことから始まります。でも、今日も忙しいですよね。残業も続いていますよね。明日も、明後日も、予定が埋まっていますよね。銀行口座にアクセスするのとか、通信費用を見直すために時間を取るのは、面倒ですよね。もう、痛いほどによくわかります。私、中学校の教師だったので(笑)。

 でも、ここの壁を超えないと、正直言ってスタートラインには立てません。あなたは本当にこのままではいけないと考えていますか?私は、仮想通貨について丁寧に解説したいと思っていますが、せっかくご縁をいただいて、貴重な時間を費やして読んでくださっている皆さんのような方々を、むやみやたらにハイリスクの投資へと誘導したくはありません。儲け話みたいなレターにするつもりは毛頭ありません。でも、お金についての知識が増えてくれば自ずと行動の指針は見えてくるものです。地味だけれど、日々の無駄を丁寧に洗い出して自己認識を深めてから、冷静に乗り出していくべきだと考えています。

 さて、小見出しに置いたバケツのお話です。家計をバケツに見立てるという例の話です。蛇口から出てくるお水はご自身の収入。そして、溜まっていく水は貯蓄。バケツに開いた穴から抜けていく水は支出。当然のことですが、仮想通貨投資を考えることの有無を問わず、バケツの穴は、なるべく小さく、必要最小限を目指しましょう。バケツの穴の一例を以下に挙げてみましょう。

□   コンビニでよく買い物をする

□   自分へのご褒美として衝動買いや高額商品の購入欲が強い

□   セール品だと買ってしまう

□   宝くじを購入している

□   ポイントカードとかついてくる特典のためにものを購入している

□   通信費が高いとわかっているのに見直さない

 まずは、こういう目の前の課題を把握して、何かひとつ行動に起こしてみましょう。動くべきは今。少なくとも今週中に、第一歩を踏み出してください。最初の一歩のハードルを越えたあなたは、次のハードルをより低く感じるはずです。最初が最難関なのです!

あなたの奮起に期待しております!立ち上がる時は今!

2 お金の置き場所を工夫しよう

 続いて、お金の置き場所について考えてみましょう。日本人は、投資よりも貯蓄という過去の亡霊にいまだに囚われています。また、長らく朱子学がもてはやされ、お金についてはこだわらないこと、清く貧しく、なんていう認識のもとで意識的にも縛られてきました。

 ようやく、お金について考えようという機運が高まってきたものの、投資については危険性やリスクばかりが強調され、学んだとしても結局貯蓄に向かわせたいんじゃないの?と、疑問を抱かざるを得ません。しっかりと情報を得て、検討したうえでリスクに晒せる資金を明確にしていけば、ダメージもコントロールできます。レバレッジをかけてしまうとか、信用取引をしてしまうとか、いきなりFXから始めるとか、危険性を知らないからこそ、知らず知らずに大変なリスクを負ってしまうのです。まずは知ること。これに尽きます。

 さて、お金の置き場所についてです。きっとお読みいただいている方の多くは、保有する金融資産のほとんどが日本円なのではないでしょうか?また、その日本円も、メガバンクへの預金として給与が振り込まれて、必要な時に支店やコンビニのATMで下ろして使うという感じでしょうか。クレジットカードと紐づいて、電子決済を利用している方もいらっしゃると思います。

 日本円だけで大きな割合を占めている問題点には今度触れるとして、日本円をメガバンクに預けるということを考えてみましょう。

 銀行に口座を作り、皆さんは職場からの給与振り込みの登録をします。そして15日なり25日なり、月に1回の振り込みがあります。そして皆さんは必要な時に自身のお金を使う。

 …ここに、このような感覚はありますか?

「自分はこの銀行にお金を貸しているのだ」

 お金を貸すということは、金融業者と同じことですから、あるものを得ないと割に合いませんよね。そうです、「金利」というやつです。今、あなたの銀行の取引明細を確認してみてください。金利としていくらついていますか?もしあなたがメガバンク一択という生活ならば、検討をお勧めします。

 メガバンクの金利はなんと多くが…「0.001%」です。衝撃的ではないでしょうか。多くの皆さんはここに、貸付を行っている状態です。100万円預けて、1%で1万円。0.1%で1000円。0.01%で100円。0.001%だと…10円。これが現状を知るということです。

 でもね。でもね。これを100倍にすることがほとんどリスクを取らずに可能になるとしたら、バケツに残る水の量は増えますよね。どこに置けばよいのか。

「ネット銀行」です。

 くれぐれもお金に関する姿勢は、DYOR(Do Your Own Research =自分で調べてね)が大前提なので、ご自身で調べてほしいのですが、多くのネット銀行では預金金利が0.1%です。数字を見ると少しの変化のように思うでしょう。小数点以下の違いだし、と。でも、これが、100倍の差になっているわけです。    

 同じ100万円を、メガバンクに預けっぱなしで10円しか利息が付かない人と、ネット銀行に預けて1000円が入ってくる人と、がいます。この差は何から生まれていますか?

「情報を知っていること」に加えて、「行動する勇気」があるかどうかです。

 やる気があれば、こんなことすぐにできます。誰でも。証券口座と紐づけることが条件、とか多少の手間があるところもありますが、何も証券口座を使って投資をしろというわけでもありません。リスクはほとんど変わらないのに、金利を100倍にできるのだから、お金の置き場所くらい考えてみない?というお話でした。

3 お金はさみしがり屋

 さて、今回のラストとして、よく言われる「お金はさみしがり屋」について考えてみましょう。私はこれ、中学校の教師時代から、「どういうこと?」と思ってきました。全然増えないんですもの。銀行口座にまとめて置いて、金利は0.1%にした。これで増えていくよね!と思っても、、増えない。そんなに増えない。

 リスクある場所に置いていないんです。ここでは、「複利」という言葉をご紹介します。すみません。ご存じですよね。ここでドヤ顔で語る話でもないんですが、方向性として「いちいち解説する」と決めちゃったもので、ちょっと付き合ってくださいね。

【用語解説】 複利とは?

一言でいえば、「金利にも金利がつくこと」。

 例えば、100万円を金利として年1%で貸し出し、1年間預金する。

 1年後、101万円となっている。この増えた1万円が金利として得た分である。そして、この「101万円」を再び年利(1年間の金利)1%で貸し出すと…101万円の1%なので10100円が金利として得られ、2年後の合計金額が102万100円となる。この100円は、1年後についた1万円に対してついた金利であるため、これが長い期間、高額のお金で起きるとなると雪だるま式にお金が増えていくことになる。

 この状況に「する」=貸し手になると自身のお金は増えていくし、この状況に「される」=借り手になると自分が支払うお金が大きくなってしまう。

 ということは、どのようにして複利で自分のお金を、リスクをコントロールしながら貸していくことができるがということになっていく。もしくは自分のお金を別の何かに変身させて、金利のようなものを得ていく戦略を立てることが、バケツに水が溜まっていく好循環を作り上げることになっていきます。

 お金を何に変身させると、どんな効果があるのかは、また次回以降のお話にしましょう。

ぜひご自身の一歩を踏み出してみてください。応援しています。

 長文でしたが、最後までお読みいただきありがとうございます。私は、このように仮想通貨に限らずお金に関する知識や経験は、なるべく早期に子どもたちに伝えて実践したり考えたりする機会をもつことが、極めて重要であると考えています。その中で、オンラインでの学びを実現するべくSupportiaという場を共同で立ち上げました。中学生の段階から、少しずつでもお金に関する知識を増やして、貧困の連鎖に対する小さくとも防波堤の一部になりたいと考えています。入会料、授業料とも現在は無料としています。もし興味のある保護者の方がいらっしゃいましたら、ぜひ下記HPよりお問い合わせください。お待ちしています。

【Supportia HP】

【Supportia note】

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